クリティカルマス | 社会を変えられると信じている人々について

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社会を変えられると信じている人々。

 

京都で暮らしていた頃、自転車が大好きな人々と出会いました。そして彼らは困っていました。クルマが走るための道路を中心に社会が作られ、歩道を走れば歩行者に邪魔にされ、道路を走れば容赦ないクルマのクラクションに妨げられ、自転車が安全に走れる場所がないからです。彼らは町中を自転車で走り、現代の自動車を中心とした交通社会に警鐘を鳴らしていました。しかし小さな活動だったために人が集まらず、道路の共有を求める活動は途絶えていまっていたのです。

 

1992年サンフランシスコ、車社会の中で職場である道路を失ったメッセンジャーや自転車愛好家が、多発する交通事故や自動車中心の交通社会に警鐘を鳴らし、道路を車から取り返えす為の行動を起こしました。臨界点を超えた彼らの活動をクリティカルマスと呼びます。彼らの中にはクルマの上でジャンプし、ブルマをベコベコにするなど、過激なアクションもありました。この活動がメディアに取り上げられ、逆に自転車から道路を取り返す自動車愛好家達のクリティカルマスなどの出現もありました。

 

日本では、COP3が行われた1997年、京都の学生2人が車道を走ったのが、事実上アジア初のクリティカルマスとなりました。先ほどご紹介した自転車好きの彼らのアクションでした。活動はアメリカのものとは異なり、『道路を自転車で走る』というものでした。京都で始まった日本のクリティカルマスをTAKUYAとARATA、そして僕とで再開することにしました。先ずは宣伝。クリティカルマスのチラシやステッカーを配り、ホームページを立ち上げました。京都の商店の皆さんにご協力いただいたりもしました。そして、地元新聞にも活動が掲載されることもあり、次第に人々が活動に参加するようになりました。その後、京都をはじめ、東京、大阪、神戸、横浜、名古屋、新潟、福岡で開催されるようになり、全国へと広がっていきました。

 

時代は変わり、車に依存した交通システムの現状に不満を持っている方だけでなく、街中に漂う排気ガスに怒りを感じている方、環境問題に立ち上がった方、自転車好きの友達が欲しいなど、様々な思いを持たれた方が集まり、現在でも各地で行われているようです。みんなで車道を走ることで、道路が車だけのモノではないということをアピールする。自転車で道路を走ることは、決して安全なことではありません。それでもこのアクションが、いつか日の目を見ると信じて走った仲間がいました。今は何をしているかはわからないけれど、同じ目的に向かって一緒に走った時間を忘れることはありません。

 

アメリカには「SHARE THE ROADS」という看板があるように、自動車と自転車が共有できる環境があります。しかし、まだまだ危険な場所が多く安全ではありません。このような状況を改善するツールとして People for Bikes [ http://www.peopleforbikes.org ]という団体があるのでご紹介します。People for Bikesは、現在の自転車環境を改善するためにアピールをしています。道路の整備、排気ガス抑制と地球温暖化防止、そして健康的なよりよい社会を形成するために、自転車を安全に利用できる社会を作りたいと考えています。現在、100万人署名を持って行政に訴えかけようとしています。インターネット上で署名ができますので、ぜひホームページをご覧ください。
 

People for Bikes
クリティカルマス京都
クリティカルマス大阪
クリティカルマス読本

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ムナカタケン | ラララライフ インク CEO。その他もろもろ全て。

10 comments

  • H!ro^^ より:

    ケンさん、AloooooooHa ^ ^/
    車のない我が家にとって自転車は大切です^ ^
    4月に京都に行った時はレンタルサイクルを借りて、一人で京都の町を走りました。楽しかったです。
    京都在住の知人に会いその話をしたらビックリしていました。どうやら僕は考えられないほどの距離を走破していたようです^ ^;
    安心して走りたいですね^ ^安全運転で♪

  • まっち より:

    ケンさんに初めて会ったのがクリティカルマス京都だったね。
    大阪では今も続いているようですよ。近いうちに走るつもり!
    クリティカルマス大阪BBS(旧)はいまだに私が管理してたりするんだよねぇ。
    この間カナダに行ったときにいい具合に「SHARE THE ROADS」「SHARE THE TRAIL」の環境を目の辺りにして改めて色々と考えさせられました。

  • matsunorida より:

    ケンさん こんばんは♪

    "ジテンシャな生活" を してる者としては 
    社会における ジテンシャの立場 と 問題点
    これは 避けて通れないですよね~

    ちょとしたアクションの 積み重ね で 変わる事もある! 

    MSGR で なくなった今でも 道 は ジブンが生きてる事を 感じれる場所
    理想と現実の垣根が 少しずつ 低くなるように 願っています

    TAKUYAクン 懐かしいなぁ…

  • シベリア より:

    京都は観光シーズン、車が凄いですね。

    生活道路まで、入ってくるから、危ないんですよね。

  • Hiro san、こんばんは。
    京都はレンタル自転車が早くから進んでいた町でした。自転車人口も多いし、世界の環境問題あの中心地でもあったので、僕らの声は届くと思っていました。現実は非常に厳しいもので、公共のバスなどは尊重していたものの、彼らにさえクラクションとあおりを受けたり悲惨なものでした。でも、ちょこちょこの前進が堪らなく楽しかった日々でもあります。

    まっちsan、こんばんは。
    考えてみれば、そうだよねぇ。みぞれまじりの日でさえもまっちは来てくれたよね、京都まで。大阪が今でも続いているのは、地元を離れない多さ亜健の皆さんがいるから、というのもあるんでしょうね。形を変えて、色を変えても続いているところは凄いなぁ、と思います。「SHARE THE TRAIL」は、山を走るものとして、心に刻まなきゃ行けないね!

    matsunorida san、こんばんは。
    日本は空前の自転車ブームであると聞いています。これを機に、本当に快適な通勤方法を考えるべきですよね。駐輪場の問題もあると思うけれど、クルマ一台分に、自転車だったら5台は止めることもできるし、そういった発想で合理化してもいいと思うんだけどなぁ。いつの日か、MSGR復活できたらいいね。スピードではなく、ゆっくりで健康的なMSGR。

    シベリア san、こんばんは。
    京都は盆地で排気ガスが溜まりやすいし、狭い町中はいつも渋滞。京都のパーク&ライド構想は、比較的現実しそうなプランだったのに、いまはどうなってしまったんだろうか….?

  • Keikiola より:

    ジョニー、まいど!!
    僕もジョニーやまっちさんに初めて会ったのは大阪のクリティカルマスやったね。
    懐かしい。
    最近は山道しか走ってないなぁ…。

  • Keikiola kun、ジョニーです。
    ちゃりやんもそうだったっけ?そうだった、そうだった、ウッドデッキに行ったよね。
    大阪も自転車ブームなのかなぁ。ブームが去った後の駐輪場が怖いなぁ。

  • おっさん より:

    初めまして。京都在住の者です。
    People for Bikesのロゴ入り缶バッジが気に入り、検索してこちらのサイトに辿り着きました。
    そこで、インターネット上で署名をしてみようと思ったら、どうやら日本からでは不可能なようです。
    缶バッジをどこかで手に入れたいので、もし方法をご存じでしたら教えて頂ければ嬉しいです。
    よろしくお願いします。

    • ken より:

      おっさん様
      はじめまして、ムナカタケンと申します。
      以前私も京都で生活をしていて、自転車を通じて社会の矛盾について考えたりしました。京都での数年間は、今でもかけがえのない経験になっており、いまもあの頃と変わらない気持ちを抱いています。歩行者はもちろん、クリーンな移動手段としての自転車が環境社会を作る基礎になるよう願っています。

      さて、本題のこのPeople for Bikesバッチですが、かなり昔に地元の自転車屋さんでいただきました。署名に関してはアメリカ在住者(アメリカに住所を持っている人)でないと効力を持たないようです。日本国内でバッチを手に入れるのは難しいと思いますので、もしアメリカにおっさん様かお友達が行かれる事がありましたら、ぜひ自転車ショップでPeople for Bikesについて話をされることをお勧めします。わざわざたどり着いていただきましたのにこのような返答になることをお許しください。もし機会がありましたら、また覗いて下さいね。それではどうぞよろしくお願いします。

      • おっさん より:

        ムナカタケン様
        お返事してくださり、ありがとうございます!
        京都の街は道路環境さえ良くなれば、とても自転車移動に適していると思います。私も自転車乗りの一人として、自転車が快適に走れる街づくりを願っている次第です。

        やはり署名はアメリカ在住でなければできないのですね。やはり日本国内でバッチを手に入れるのは難しいですか。少々残念な気持ちはありますが、アメリカに行く機会があれば、是非とも自転車ショップなどに立ち寄ってみたいと思います。どこで手に入れられるのだろうとネットで少々時間を費やしていましたが、返答を頂き気持ちがすっきりしました。ご丁寧にお返事頂き、本当にありがとうございました。

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