ホクレア出航。

ラララハワイ生活

ハワイ先住民は、先史時代ポリネシアからやって来たと推測されていた。しかし、どうやってこの広い海を正確に渡ってやって来たのだろうか、という疑問があった。星の動きを見て航海をする秘術があった。海図はもちろん、GPS、六分儀、羅針盤、海図、クロノメーターなどの近代計器を一切使わず、星の動きや、海流や波浪の観測、生物相の観察、風向の観測などの自然現象をたよりに舟を目的地に導く伝統航海術(スターナビゲーション)のことである。しかし、既にハワイやポリネシアにも、このスターナビゲーションを受け継いだ者は誰一人としていなかった。この失いつつある伝統技術を、現在でも受け継がれている地域があった。ミクロネシア諸島、カロリン諸島。中でもサタワル島では、スターナビゲーション口承によって受け継がれ、現在でも漁などの技術の一つとして生きていた。カロリン諸島各地に古代から伝わる推測航法術(スターナビゲーション)の達人に、マウ・ピアイルグという長老がいた。ハワイは、マウにハワイの未来を託すことになった。アメリカ合衆国建国200周年記念事業の一環として行われた航海カヌー「ホクレア」によるハワイ・タヒチ間往復航海にマウ・ピアイルグ氏を航海長として招聘し、マウは近代的航法器具を一切使用せず、船を無事にタヒチまで導いた。自分たちはどこからやって来たのか。これからどこへ進むべきなのか。ホクレア号は、伝統的航海術をハワイに蘇らせ、ハワイの人々がどこから来たのかを科学的に実証し、失われつつあるハワイの伝統文化復興運動のシンボルとしてハワイ第一号の州宝になった。また、ホクレア号の航海長のひとり、ナイノア・トンプソンは、マウから伝授されたスターナビゲーションを、西洋天文学とを組み合わせ発展させている。ラララハワイ生活

7月12日、サタワル島のマウ・ピアイルグ氏が逝去されました。7月24日、マウの功績を讃え、感謝と切なる祈りを込めて、マウが辿ったハワイのゆかりの地を廻るたびにホクレアが出発しました。早朝4時から、ハワイ中からたくさんの人が集まり、日の出を迎え、ブレッシング後、静かに出航していきました。僕はどこからやって来たのか。僕はどこへ進むべきなのか。マウやホクレアにたくさんのことを学び、今の僕があると行っても過言ではありません。マウが安らかに眠られることを祈り、この出来事に偶然にも立ち会えたことに感謝した一日でした。加奈子ちゃん、ありがとう。

  • Share post

ムナカタケン | ラララライフ インク CEO。その他もろもろ全て。

7 comments

  • Keikiola より:

    マウのご冥福をお祈りします。

    初期の航海でマウが怒ってしまって、ナイノアが教えを請うためにサタワルまで追いかけたんですよね、確か。
    ナイノアのあの行動がなければ、今のホクレアはなかったのかも。
    僕たちに夢を与えてくれるホクレアが今存在するのは彼ら2人に因るところも大きいのでは?

    そして、最近どっかで聞きましたが、ハワイでもスターナビゲーションを秘密裏に伝承していた一族がいるとか、いないとか…。そのことについて、もっと知りたいと思う今日この頃です。

  • さえっぺ より:

    私もそうです。 
    ホクレアとの出会いから様々な出会いや経験をして今の私がいます。
    そのホクレアに命を吹き込んでくれたマウ師。
    マウ師の惜しみない教えに心から感謝です。
    ご冥福をお祈りいたします・・・。

  • Keikiola kun、こんにちは。
    全くノープランで、ふらふらサンドアイランドを走ってたら、ホクレアに人影が。そして加奈子ちゃんに話を聞いて、見送らせていただきました。夢を与えてくれて、さらに大きな課題やチャレンジする勇気も与えてくれています。振り返ることが多かった週末でした。

    さえっぺsan、こんにちは。
    ハワイはとても偉大な友人を失ってしまいましたね。加奈子ちゃんのブログに、ナイノアのコメントが掲載されていました。

    『マウの教え子たちへの一番の願いは、学び続けること、そして教えていくことでした。』

    直接の教え子ではないけれど、ホクレアやマウ、ナイノアから教えてもらったたくさんの宝物を、僕らもさらに学び精進し、伝えていくことが大切なのでしょう。お互いに頑張りましょう。

  • じゅんこ より:

    私は以前横浜港にホクレアが来た時、有休取って乗りにいきました!
    駅から歩いてそこに向かっていると、遠くにホクレアのマストが見えてきて、
    その時点で涙が出るほど感動し、
    自分のハワイバカ加減にビックリしました(笑)。

    そのとき持って行ったホクレア関係の本に、
    ナイノアさんにサインをして頂きました。とっても素敵な方でした。

    内野さんの本も買ったのですが、
    すごく良かったので当時一緒に乗りに行った友達にプレゼントしてしまいました。
    また自分の分も買おうかな…

  • じゅんこ san、こんばんは。
    横浜でホクレアをお迎えになったことは、一生の想い出になるでしょうね。いいなぁ。っていうか、その頃まだホクレアをよく知らなくて、このブログにコメントくれたKeikiola kunに教えてもらったのです。それからというもの、ホクレアが存在する意味や意義を自分の人生と被らせて考えるようになりました。いつものほほんとしている内野加奈子ちゃんも、ホクレアのクルーだったと思うと、神々しく見えます!!!

    この日の出航は、思ったよりもとても静かなものでした。カマヘレ号に牽引されてホノルル港を出航してる姿を、遠くまで見送りました。

  • KEN より:

    ケンさん、どうもです。
    出遅れました。

    亡くなってしまったのですね。
    心よりご冥福をお祈りします。
    マウは次の世代に残すべき大事なものをきっちりと伝えきったのではないでしょうか。
    そして時代の波に流されて消えてなくなってもおかしくないその大事なものを真正面から引き受けるナイノアという存在がいることに、縁の不思議さを感じずにはいられません。
    時代が変わっても、変わらないもの、変えてはいけないもの。
    マウが残し、ナイノアが引き継いだものを、今度は僕らの世代が正しく受け止め、そして次の世代に正しく伝えていく責任があるのだと強く感じています。

  • KEN san、こんにちは。
    マウ、エディー、ナイノア、その他の素晴らしいクルーと支援する人々。ハワイ州宝のホクレアは、数々のストーリーを残し、そこから色々なことを教えてくれる存在です。全ては繋がりで、その大切さを忘れてはいけないことなんだね。さんきゅ。

Comments are closed